この記事は、Pepabo Managers Advent Calendar 2016の9日目の記事です。
8日目は、fuisさんの「リニューアルの背景にあるもの。」でした。
こんにちは!はじめまして!ask11です。
ペパボではホスティング事業部というレンタルサーバーやドメイン事業のマネジメントを
行いながら、今はカスタマーサービスを直轄しています。カスタマーサービスに関しては後日別のマネージャーが書くと思うので別の事を書いてみようと思います。
とはいえ僕は野菜と沖縄に関するブログしか持っていないので、野菜づくりで考えていることと組織における人材マネジメントの共通点を無理やり見出してみることにしました。
完全に見切り発車なので、書いてみてシンクロしたかどうかはシンクロ度:☆の数で自己判定します。
土作り
畑、ベランダでのプランター菜園共通して、野菜を作るにはそれに適した土作りが必要です。
- 土壌に適した即効性や遅効性の肥料
- 土壌のPHを整える石灰など(酸性が苦手な野菜もある)
- 根を貼るのに邪魔な石を取り除く
- 前に植えた野菜の根の残りなどを取り除く
- 耕して土を撹拌する
組織においてもスタッフが成長できる環境づくりやフレーム作りという土台の部分というのはとても重要です。しかしひたすらに快適な環境を作ればうまくいくか、というとそうではないでしょう。植える野菜によって好みのPHが違ったり肥沃な土地を好む野菜と痩せた土地を好む野菜があるように組織、部署に沿ったフレーム作りが必要です。エンジニアが育ちやすい環境とカスタマーサービスのスタッフが育ちやすい環境は異なるものでしょう。ただ、スタッフの成長や定着を阻害する石のようなものは、マネージャーが取り除いてく必要があるのでしょう。
シンクロ度:☆☆
連作障害
野菜には連作障害というものがあり、前年と同じ場所に同じ野菜を植えると、病気になりやすくなったり、収量が減ったりするものがあります。
- 野菜によって土から吸収する栄養の種類がちがうので、前年に特定の栄養が激減した状態で同じ種類を植えてしまうと必要な栄養が欠乏している。
- 同じ野菜を植えることで特定の細菌やウイルスが増殖する。または特定の病虫が同じ野菜を植えることで定着する。
などの原因があります。
接ぎ木苗という、地下部の根の台木と地上部の茎葉の穂木を接ぎ合わせした苗を使うことで病気への耐性を高め、連作が可能となる場合やそもそも連作障害をおこしにくい野菜(玉ねぎなど)もあります。
組織においては、しばしば部署異動が行われます。ただそれは、同じ部署にいることで生産性を落としたり、病気になったりする、というケースはレアな気がします。スタッフがより活きる場所への異動や人員の補強などが主で、意図的な部署ローテーションのようなものはペパボではそれほど行われてはいません。(以前マネージャーのグレートシャッフルという施策はありました)ただし、ずっと同じ場所で同じ仕事をしていることでのモチベーション低下、という問題は人によっては発生するので、スタッフがやりがいを持てるようなマネジメントの工夫は大事です。
シンクロ度:☆
植え付け
野菜の植え付けには適した時期があり、また適した植え付け方法があります。種から植えるもの、苗まで別の箇所で育てて植え付けるもの。
野菜によっては風を避けるためのポットや支柱のサポートが必要です。前述の接ぎ木苗は寒さに強いなど、多少丈夫にできていたりもします。
組織に新しくはいったスタッフが定着するまでは、マネジメントによるフォローアップが必要です。特に弱い苗のような新卒入社スタッフは、メンターをつけて心理的安全を確保したり、目標の設定を適切に行うことで、目指す場所をわかりやすくしてあげるなどのサポートが有効でしょう。いきなりOJTから始めるのではなく、しっかりとした研修で基礎知識をつける新卒エンジニアの育成方法は、いきなり畑に植え付けず、ある程度の大きさまで苗に育ててから植え付ける方法と類似点があるかもしれません。
シンクロ度:☆☆☆
育成
野菜の育成の目的は主に以下の3つに集約されます。
- おいしい実や葉に育てる
- 収量を増やす
- (形よく育てる)
野菜によって仕立て方は違いますが、そのために行う手入れはこんな感じです。
- 雑草は栄養分を奪ったり、日光を遮ったりするため、まめに草取りを行います。
- 植え付け時に施した肥料だけだと育たない野菜もあり、定期的に追肥を行います。
- 虫害を避けるためにネットなどの中で育てる野菜もあります。
- トマトやナスなどは整枝を行い、栄養が分散しないように脇から出た新芽は摘んでしまいます。
- 大きくなって実の重みで倒れないように支柱に誘引したり、ネットで保護が必要な野菜もあります。
- 実に栄養が行くように茎を切ったりする野菜もあります。
人材マネジメントにおいては汎用的と専門性というところに当てはまりそうです。すなわち専門性を高める育て方は、その分野で成長できるように選択と集中を行う。汎用性を高める育て方はいろいろな業務にチャレンジできる環境を作る。といったところでしょうか。たくさん実をつけたけどどれも味がしなくてまずい、という事態にならないようにするには、質を伴った業務にチャレンジしてもらう、ということなのかもしれません。延々とベルトコンベアーのようにルーチン業務を処理するだけだと応用が効かないスタッフになってしまいますね。
家庭菜園と異なるのは専門的にせよ汎用的にせよ、野菜のように収穫まで細かく手入れや誘引をしてしまうと、スタッフの自立を阻害するということでしょう。
シンクロ度:☆☆
コンパニオンプランツ
隣同士に植えることで互いに生育を促進したり、病害虫避けになる組み合わせがあります。代表的なものだとトマト✕バジル、トウモロコシ✕エダマメとか。逆に組み合わせが悪くて生育を阻害したりするものもあります。長ネギ✕大根とか。
組織でもチームメンバーとの相性、互いに切磋琢磨できる同僚、足を引っ張り合う関係というのは確かに存在します。しかし組織においては個人個人が成果をだすことよりも、チームや組織としての成果のほうが重要度が高く、相性、好き嫌いというのはどちらかというと個人が解決すべき問題として扱われることが多いでしょう。(ペパボには「みんな仲良くしよう」という大切にしてほしい事が明示されていいます。)
ポジティブインフルエンサーがチームに一人いると周囲のスタッフのモチベーションを上げたり、成長を刺激できるというところは類似点があるかもしれませんね。
シンクロ度:☆
マインド
僕は専業農家ではなく、趣味で家庭菜園をやっています。野菜作りをすること自体がおもしろく、どちらかというと結果よりも過程を楽しんでいます。組織において人材マネジメントは結果を出すことが何より大事であり、また多くのスタッフのある意味人生を預かっています。僕はまだ楽しめる領域には達していないと思います。楽しんでよいものかもわからない。
ただ、スタッフに愛情を注ぎ、育ってほしいという強い思いのもとに試行錯誤を繰り返すという点では家庭菜園と共通したマインドがあるのだろうと思います。いい組織を作ることは目標達成の力となり、自分に返ってくるという意味では収穫に似ていますね。家庭菜園も組織もよりよいものにして行きたいと思います。
シンクロ度:☆
番外
手塩にかけて育てたスタッフが他社に引き抜かれたときの気持ち。
以上、見切り発車した割にそれなりにまとまった気がしています。
明日10日目はsouseijiさんです。
※行きがかり上スタッフを野菜に例えたような表現になっていますが、
日頃スタッフを野菜と思って接しているわけでは決してありません。